病院、診療所の病床数は毎年減少、国は病床を増やさない方針

■ 病院、診療所の病床数は毎年減少、国は病床を増やさない方針
一方、高齢者は増加しているものの、精神病床・療養病床の入院日数は高止まり。医療、介護については、自宅での「掛かり付け医」による診療や訪問による診療、訪問介護による介護に移行する方針を明確化。
◆ 病院の施設数は毎年減少、診療所の施設数は増加しているものの病床数は減少
・ 平成24年10月15日厚生労働省発表による医療施設動態調査(平成24年7月概数)
   によると
・ 病院施設数は平成2年以降減少に転じ、平成4年から1万施設を切り、8,571施設
    となっています。
・ 病院の病床数も平成21年の160万1千床から年々減少しており、約157万9千床
    となっております。
・ 一方、診療所についても有床診療所は平成22年と比較して約1千施設減少、
    無床診療所が約1千施設増加しております。
・ 平成24年9月の厚生労働省発表による病院報告による平均在院日数によると一般
   病床で17,6日、療養病床で約170日、介護療養病床で約300日となっており、
   この在院日数について はこの数年殆ど変化が無い状況になっております。
この事は、高齢者の増加により高齢者医療の比率が高まっている現状を考えると全国的に入院治療を受けずらい状況になっていると考えます。

◆国は病床数を抑制、居住系・在宅サービスの充実により病院等の「施設医療」から「地元の掛かりつけ医を中心とした地域医療」へ、「病院での医療」を急性期医療を中心とし、慢性疾患等の緊急性を要さない患者に対しては「自宅での介護を中心とした医療」への転換を明確にした
厚生労働省在宅医療推進室が発表した「在宅医療・介護あんしん2012」によりますと今後の方向性について
1. 医療機能の分化・強化と効率化の推進によって高齢化に伴い増大するニーズに対応しつつ、概ね現行の病床数レベルの下で高機能の体制構築を目指す。
2. 医療ニーズの状態により、医療・介護サービスの適切な機能分担をするとともに、居住系、在宅サービスを充実する。
と明記しており、「施設」から「地域」へ、「医療」から「介護」へとの方向性を明確にしていると共に「在宅医療」「在宅介護」の拠点整備に関する予算措置を講じており、在宅医療機能を強化した在宅支援診療所・病院に対する「往診料」「在宅時医学総合管理料」「在宅患者緊急入院診療加算」等について大幅な診療報酬加算を行うとしています。

■病院数、病床数の規制、医療・介護の施設医療・介護から自宅での医療・介護への移行については、高齢者に対する終末医療の在り方についての議論無しではあり得ない
以上の内容で明確になっている事は
・ 病院および有床診療所の病床数はこれ以上増やさない
・ 地域の支援体制を強化し、自宅での医療、介護を促進する。
の2点であり、これは認知症患者に対しても同様の方針となっています。一方、65歳以上の高齢者は平成24年9月時点で3、023万8千人で前同月に比べて69万5千人と大幅に増加しております。要介護認定者も約540万人、認知症患者は約280万人と各々大幅に増加している状況にあります。
高齢化に伴う「医療費」「介護保険料」の急速な増加が国の財政を圧迫している現状の中で、国としてこの様な方針を打ち出す事は理解出来ますが、一方、平成24年4月の全死亡者102、376人の内、老衰と診断された死亡者が4,882人とわずか4.7%に過ぎず、更に高齢者の80%が病院で死亡しているという現実をどの様に捉えるか考える必要があります。私たちの調査によると終末期に延命治療を望む高齢者はわずかに3%にすぎません。本来、高齢者の80%もの人が病院で亡くなられていると言う状況が異常な状況なのではないでしょうか。
◆寿命を全うしようとしていて、今後状況の改善が見込めないと判断される高齢者に対して胃ろうを含む延命治療を施さず、自然な死を選択出来る事が病床数の減少にも対応できる方策であると考えます。
◆単身及び夫婦2人暮らしの高齢者世帯が1,100万世帯も存在し、尚且つ今後も急速に増大していくと想定される中で、自宅で医療、介護の対応を看取り迄含めて全て行う事は困難であると言わざるを得ません。
従って、町内会、民生委員を含めて地域全体で見守るシステム整備が必要であると考えますし、国も同様の整備を推進しようとしております。
しかしながら、未だこれから整備に取り掛かる所であり、これらの課題が解決する迄は今後増大する高齢者に対応する施設整備を併せて推進する必要があると考えます。
同時に高齢者の住まいがどうあるべきかに付いても今後、提案をして行きたいと考えています。