高齢期の暮らしのシンクタンク
高齢者の生き方・老い方を研究する~ NPO法人「老いの工学研究所」

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  • 設立趣旨

    『不老不死』、この甘美で見果てぬ『夢』を追い求めてきた人類は、ようやく『長寿社会の実現』というところにまでたどり着きました。
    日本においては、わずか500年前に織田信長が『人間五十年』と謳った寿命しか持ち得えなかったものが、今や『不老長寿』ともいえる時代の到来を予感させ、秦の始皇帝が世界中に使者を遣わし追い求め、『夢』でもあった『不老不死』の妙薬を今まさに手に入れんとしています。しかしながら、われわれは今、果たして憧れ続けてきた『夢』を手にしていると言えるのでしょうか。
    現在、日本人の平均寿命は80歳代に到達し、『長寿社会』を実現した反面、少子高齢化による就業者人口の減少は、消費の低迷、税収の低下、年金制度の改定など大きな政治課題を惹起する要因となり、追い求めた『夢』を手放しで歓迎できる状況ではなくなりつつあります。
    換言すれば、現代を生きる高齢者にとっては、『長寿社会の到来』という『夢』の実現というよりも、『高齢化社会の到来』によって生まれた『未だ経験したことのない、永い余命』すなわち『老後』の暮らし方に対する不安がむしろ増大しているのではないでしょうか。これは、現在の高齢者が世代を通じて初めて直面する課題です。こうした不安は、若い世代が老いること自体を忌み嫌い、恐れ始めるという歪みを生むことにつながっているのかもしれません。
    解決の方法として、宗教や歴史あるいは死生観をも異にする以上、北米におけるアシステッド・リビングやリタイアメント・ハウスなどの住宅や、北欧におけるエーデル改革に代表される高負担高福祉を前提とした制度を単純に輸入することに合理性があるとは思えません。 
    こうした状況の中で、わが国では、この永い老後を控えた高齢者が、今後自分の『老後』をどのように迎えるべきかという問題について、いまだに解答を持ちえていません。この為、高齢者のライフスタイルについて研究し、提言することは、高齢者だけでなく、それを支える人たちにとっても必ず有益で、ひいては『老いること』を誰もが恐れずに受け入れることのできる社会の実現に大きく寄与するものと考えております。
    われわれは、『老いの本質』を、流行や情緒にとらわれることなく、過去と現在の比較分析を行う等、自然科学に人文科学・社会科学を加えた幅広い視点で究明し、現在の高齢者を取り巻く問題の解決策を提示するという工学的アプローチによって、『老い』の精神文化、『老い』のライフスタイルを創造して啓蒙し、こうした研究を通じて、老いることを誰もが恐れずに楽しめ、憧れるような、いつまでも活力のある社会を作り上げることを目的として『老いの工学研究所』と名付け、設立するものであります。


      『向齢者憲章』(2014年5月制定)
特定非営利活動法人 老いの工学研究所

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